自閉症児と共に生きる

知的ハンディキャップのある自閉症児との味わい深い人生

【夏休みの宿題対策】絵日記のサポート我が家の場合

私は絵心がない。昔から絵を書くのが苦手で、図工の時間、写生の時間が苦痛で仕方なかった。だから、息子の夏休みの宿題で絵日記が出てきた時は、本当に目が白目になった。息子はひらがなも満足に書けないし、絵だって殴り書きから脱していない状態。

 

そんな子にどうして絵日記なんて書かせるんだろう。目的が分からないけれど、まぁ仕方ない。一応支援級の先生に相談すると、「お母さんが絵を書いてそれに色を塗るでもいいです。文章は本人に聞き取りして、それをお母さんが代筆してください」と言うので、今年はとりあえずその通りにやってみることにした。

 

ただ、冒頭にも言った通り私は絵が大嫌いだ。写真をそのまま貼付けようかなと思っていた矢先、ネットサーフィンをしている時に、パイロットから「写真を塗り絵にできるWebアプリ」なるものがあったのを見つけたので、これを使うことにした。

 

数枚写真をアップロードすると、輪郭だけ残って塗り絵ができるようになっている。

学校指定の絵日記フォーマットに沿って縮小コピーし、絵の部分に貼付けた。

息子と会話をしながら、塗り絵をしたら、意外と彼も気持ちが乗ったのか、頑張って色を塗ってくれた。

あとは会話をしながら、息子に「おいしかった?おいしくない?」とかイエス・ノーで応えられる質問を投げかけながら、本文に代筆していった。

他のお子さんの子どもの絵に比べると、「元々は写真」なので、若干違和感はあるけれど、息子なりの絵日記は完成した。息子との共同作業、合作が終わって少しホッとしている。

母の夏休み ヨガの3日間集中講座に行ってきた

息子さんがおばあちゃんの家へ泊まりに行ったので、私はここぞとばかりに自分のためにヨガの3日間集中講座へ参加してきました。

 

朝10時30分から18時30分まで、途中1時間の休憩を挟むけれど、みっちり丸一日ヨガ三昧。飽きるかなーと思っていたけれど、とんでもない!

骨盤や股関節、脊柱など解剖学についての座学をしながら、ポーズを取ることで自分の体で動きを理解したり、ペアワークを通じて相手の体を見る練習などさまざまな角度からヨガを深めていく講座でした。

楽しく体を動かし、たっぷりと呼吸をし、リラックスし切る経験をできたことは、本当にストレス解消になりました。

先生は「弱っている人、弱っている時ほどヨガは効果が出る」と言っていたのだけど、まさにその通りな気がします。

 

「リストラティブヨガ」にハマる 

ブランケットやブロック、ボルスター、アイピローといったプロップス(ヨガマット以外の道具)を用いながら、無理なく胸を開いたり、足を開いていくなかで深いリラックスを導くというもの。気持ちよすぎて眠ってしまうこともしばしば。会社の先輩が「不眠症が治った」というのも納得で、体の奥のほうから回復してくる気がします。

 

仕事のことや子どもの小学校のこと、勉強や療育のこと、子どもの将来のこと、日々の夕食、週末の過ごし方等、毎日毎日頭のなかは様々な要素でいっぱいです。それもめまぐるしくマルチタスクでこなしていかないと、回りません。言うなれば「交感神経」がフルフルマックスで稼働している「動」の極みのような状態。自分では意識していないけれど、体も緊張してきっと力みもすごいと思う。

 

リストラティブヨガは、プロップスを使いながら力んだ体を緩ませ、心地よい圧をプラスしてあげることで、体全体で落ち着きを取り戻す。そして、ゆったりとした鼻呼吸によって副交感神経優位にしていく。こうした状態を10−20分キープすると、終わった後で体と心が少しずつ回復していくのだ。

 

日々消耗している心と体をこうやって解放していく時間を持つことで、明日頑張ろうという気持ちがじんわりと湧き出てくるのを感じます。

 
障害児を育てるお母さんこそ、リストラティブヨガやったほうがいい 

 

かつては、アシュタンガヨガやパワーヨガなど、体をよく動かす動的なヨガが好きでよくやっていたけれど、今はどちらかというと、ハタヨガやリストラティブなど、静的なヨガのほうが好き。やっぱり、体と心が求めているんだろうなぁと思う。

息子さんと離れる時間を持てたお陰でまた諦めずに働きかけていこうと、前向きなエネルギーをチャージできた3日間でした。

 

 

台湾旅行でパニック!原因は気圧

先日台湾へ旅行したのだけど、息子が行きも帰りも飛行機のなかでパニックになり、大きな声を出して本当に大変だった。

 

原因は「航空性中耳炎」。息子は通年性アレルギーを持っていて耳鼻科にかかっているのだけど、そういう子はなりやすいようだ。

 

行きも帰りも、飛行機が着陸態勢に入り、降下し始めた途端に「耳が痛い!」と騒ぎだし、パニックを起こすというパターンだった。

飛行機に乗ったのは3年ぶりぐらい。小さい時は全く平気だったのに、年を重ねることで出てくる症状もあるのかな…。

 

帰りは、飴をなめさせたり、飲み物を飲ませたり、つばを飲み込む、あくびをする、点鼻薬を事前に指すなどあらゆる手段を試みたのだけど、全く効果なし。

息子も「大きな声出しませんー!耳がいたいよー!!!」と、思わず声を出してしまうぐらい、本人の頑張りだけでは到底我慢しきれない痛みが襲っていたんだろう。

 

そばで励ましながらも、こんな辛い経験をさせてしまって、息子に申し訳ないと思うのと同時に、飛行機に乗り合わせた周囲の人達の冷たい視線(黙って後ろを見てくる、じーっとにらんでくる等)が痛くて、神経をすり減らした。着陸までの20分間が本当に長く感じられた瞬間だった。

何とか飛行機が着陸し、耳鳴り等が収まったのか、息子の表情も元の穏やかなものに戻っていた。そして、

「ママ、飴とかジュースとかいろいろ買ってくれてありがとう」と言ってくれたのだ。

 

こういう時、「自閉症は人の心を理解できない」と言われることが多いけれど、本当にそうだろうか?と思うのだ。

 

旅行の翌日、耳鼻科へ行き耳を診てもらったが、中耳炎にはなっていなかった。

本当に良かった。ちなみに、この記事によると、中耳炎は放っておくと死に至ることもあるらしいので、早めに耳鼻科へ行ったほうがいいようだ。

 

 

 

 

 

 

支援学校と支援学級どちらがよかったのか?自分なりの振り返り

何とか1学期が終わった。息子は既に夏休みに入っていて、学童にも毎日元気に通っている。入学当時心配していた登校しぶりや不適応の問題は1学期修了の時点で起こっていない。本当に、本当に良かった。

小学校や学童の先生方が根気強く対応してくれたお陰です。感謝感謝。

 

さて、就学相談の時に支援学校判定だった我が家ですが、学校との話し合いにより支援学級進学をさせてもらった経緯があります。

我が家なりに息子が将来どんな大人になって欲しいのか、どんな環境で息子を育てたいのかを何度も考え、行きつ戻りつ、最終的に支援学級を選択したわけだけど、結果その選択がどうだったのか?を私なりに振り返ってみたいと思います。

 

●支援学級を選んでよかったこと

・家から近い(学校は自宅の裏側にある、支援学校はバスに乗って1時間の場所)

・保育園から一緒のお友達と同じ環境で学べる。

・少人数制なのでだいぶ丁寧に指導してくれている。

・他の健常の子(特に3年生、5年生あたり)が構ってくれる。そして、息子もその子達のことが大好き。そういう姿を見ていると、お互いに学び合うものがあるのだと、思える。

・他の子と比べてできないことは多いが、そのなかでも役割を与えてもらうことで息子も楽しそうに過ごせていること。

・他の子達の様子を見て、まねをしてできるようになった部分、自分もやりたいという気持ちが芽生えている点。

 

●支援学級の大変かもしれない部分

・先生方と密に連絡を取りながら、日々の学校生活で起きていることをキャッチアップする必要がある。特に他の子とのトラブル関係が起きていないか等は、連絡帳や先生と直接対話するなどして日々把握するようにしている。当たり前のことかもしれないけれど、働いている自分にとってはまぁまぁ大変。支援学校だったらその辺りの心配はほぼ不要だろう。

・息子の特徴を他の親御さんにどう理解してもらうのか、そこの努力は常に求められる。夏に行った学童のキャンプで息子が大いに乱れ、手がつけられなくなるということがあったが、その時も理解をしてくれる親御さんももちろんいたが、一方で「親のしつけの問題」と見ていそうな親御さんもいた。支援学校だったら、親御さんのその辺の理解は盤石なはずで、こちらが変な気を遣わなくて済むことも多いだろうと思った。

・正直勉強面では家でもフォローしないと、支援学級内の子ども同士でも差がついていく。そこは相対比較ではなく、絶対評価で見てあげながら、息子ができることを地道に積み上げていくサポートが必要。支援学校では先生方の専門性が高いはずだから、そのあたりもお任せで良かったかもしれない。

 

支援学校か支援学級か?悩んでいる人も本当に多いと思う。

結論から言うと、我が家はやはり地域の学校へ進学させる(支援学級)という選択で良かったと思っている。

もちろん大変なことも多い。支援級の子どもは絶対的にマイノリティだし、勉強面やソーシャルトレーニングにおいても親が頑張らないといけないシーンも多い。そのあたりは全て学校に任せたいと思う人にとっては、支援学校は安心して任せられるとてもいい環境なのではないかと思う。

 

どちらの環境を選んだとしても、メリットとデメリットはあるので、そこを吟味しながら、最終的に納得のいく選択ができるといいなと思っています!

 

さー2学期も頑張るぞー!

面談ウィーク

7月に入ってもうあっという間に中盤になってしまった!

あと1週間で息子は小学校入学して初めての夏休みに入る。

 

7月は面談ウィークだった。忘れないように、メモしておこう。

・支援級の先生個別面談→夫と一緒に学校での様子や先生が今どんなことを課題に思っているのか、今後それをどうしていこうと思っているのかをヒアリング。

息子はどうやらプールに入る時の「バディ」(隣の人同士で手をつないで点呼とともにしゃがむ)が苦手なようで、何度も指導が入るとのことだった。

あとは数字とひらがなの進捗。息子の集中力が続かないようで、あまり進んでないようだった。

 

・学童の先生個別面談→ここは私一人で。

息子は要支援枠で受け入れてもらっているので、個別に加配の先生が付く。

男性のだいぶ年配の方なのだが、かなり細かく息子のことを観察してくれているようでびっくりした。気づいたことなどをA4の紙5枚ぐらいに渡ってレポートしてくれた!

4、5月の頃は環境にも慣れず見通しが持てなかったために、情緒が不安定で指示も入らなかったようだけど、7月になってから飛躍的に伸びていると報告してくれた。

お友達にも興味を示しているようで、子ども達が遊んでいるなかに入っていこうとするのだけど、基本的な社会性がまだ弱いので、遊びや関わり方のルールが分からないようで、お友達も避けてしまうとのこと。そこは勿体ないのでぜひお家で練習して欲しいとアドバイスいただいた。

 

・小学校保護者会→息子は普通級にも席とロッカーを確保してもらっており、朝の学活と給食は一緒に食べている。なので、普通級の保護者会にも参加した。

息子が大きな声を出したり、手を出したりという報告を受けている相手のお母様にもちゃんとご挨拶もできたので、よかった。しかし、小学校の同級生って本当に顔と名前が一致しない…。33名もいるので、当たり前なのだけど、果たして1年が終わるころに名前を覚えられるのだろうか…。

クラスで育てているアサガオを持って帰った。私が小学生の頃と変わらないカリキュラムにびっくりするw しかし、私は自分で持ち帰ったぞ。今の小学生は親が持ち帰るのか…。小学生苦労してないな。

私と同じことを思っていた別のお母さんもいて、「楽してるよねー」と笑いながら帰った。

こんな当たり前の会話をクラスの人達とできるようになるなんて、4月の入学タイミングでは想像してなかったなー。

入学してあっという間に3ヶ月が経ち、あと1週間で1学期も終わりだ。

早いなぁ。息子は本当に頑張ったと思う。たくさん褒めてあげよう。

 

 

 

学校との話し合いでプールへ入れることになりました

 

以前、息子が学校で排泄(大きいほう)を失敗したことがあった。

先生が「うんちを失敗し、しかも遊んでいた。排泄に一度でも失敗したらプールへ入れさせることはできない。校長へ相談します!」と興奮した口調で電話が来た。

 

これまで息子は排泄物で遊んだことはない。

療育の先生にも相談したら「何だろう?と気になって触ってしまっただけでは」との回答をもらった。

 

私もそうだと思ったので、連絡帳にも書いて先生に渡した。まだプールに入れるかどうかが分からなかったので、先生と面談の時間をもらい1時間ほどお話しした。

 

面談には夫も付いてきてくれた。意識して伝えたのは次のようなこと。

 

・「排泄に1回でも失敗したらプールに入れない」というルールは、定型発達の子でもそうなのか?(障害児だからそうなのではないか?)

・家庭では排泄物で遊んだことはない。また近場の銭湯へよく行くが、そこでも排泄に失敗してお湯を汚すなどの迷惑をかけたことは一度もない。

・何故この小学校に来たのか(支援学校ではなく、社会の縮図である地域の小学校で定型発達の子ども達との関わりのなかで育てたい。プールも社会参加の大切な機会であるということ。そこを奪うということの重大性)

 

結果数日経過して、先生から「校長先生と相談して、プールは入れることになりました

」と回答をいただいた。ホッと一安心。

先生との面談を通じて、どうやら排泄の時間の時に見守りが手薄になっていたことも分かった。(どうやら息子は排泄は完全に自立していると思われたようだ)。

 

なので、排泄に関してはまだ練習中であり、まだまだ完全自立していないため、気にかけていただけると嬉しいことを伝えた。

そして、家での食事の様子、排泄の回数、タイミングを事細かに観察し、連絡帳に「昨晩たくさんご飯を食べたので、今日の午前中には排泄の可能性があります。気にかけて声がけしてもらえると助かります」と伝えることにした。

 

さて、今日はプール1日目。本人は楽しんでいるようだがどうだろうか。ちゃんと入れるだろうか。。。心配も大きいが、本人と先生を信じるしかない。

 

 

デジタルタイマー×自閉症児

虹色のチョーク」を読んで日本理化学工業さんの取り組みのなかで印象に残っていたことがあった。

工場のラインで働く知的障害を持つ方達に、砂時計で時間間隔を理解してもらうというものだった。7歳になる息子も、時計は読めない。まだ訓練していないということもあるけれど、時制の概念も分かっていない。

 

そうか!我が家も砂時計を導入してみようと、ちょくちょく探してみたら、黄色や緑色、キャラクターをあしらったものなどいくつか種類があった。息子もきれいな色の砂時計だったら気に入ってくれるかもしれない。

 

だけど、時間でいうと3-5分を計るというのが一般的なようで、給食と同じ20分を基準に考えていたこちらのニーズと合わない。

で、結局導入したのがTANITAの数字がめっちゃ大きく出るデジタルタイマーだった。

デジタルタイマーは、朝食の時間と自宅学習の時に使っている。

 

「これから20分測るよー。ぴぴーって鳴ったらご飯は終わりね。ご飯の時間が終わったら食器は下げちゃうからちゃんと時間内に食べようね」

 

スタート初日は、もちろん時間内に食べ終わる訳なくて、終わって下げようとしたら怒って机をガタガタさせたり、物を投げたりと軽く乱れたのだけど、「ご飯の時間は終わりです」といって譲らなかった。

そしたら、2日目には終了の時間が近づくと、焦って食べるようになり、アラームが鳴ったら諦め切り替えるようになった。

 

これまではTVを見ながらダラダラといつまでも食べることが多くて(そうさせてしまったのは私なのだけど)最終的に私に急かされるという構図だったのが、予め時間の見通しを立てられるように環境設定したら、息子も少しずつ切り替えるのが上手になってきたように思う。改めて環境設定って大事と思った。