子どもの就学に悩む人へ、智恵と勇気をもらえる1冊
再び海津さんの本。これは、主に障害のある子どもの就学(小学校が中心)を考える時にぜひ一度は読んでもらいたい本だ。
私がこの本に出会ったタイミングは、教育委員会で支援学校の判定が出た時に、改めて自分の教育観がゆさぶられ、自分が下した決断に迷いが生じ、自信をなくした時だった。落ち込むというか、もうどうしたらいいか分からなかった時に、この本に出会った。
当時者の親かつジャーナリストという職業を活かして、多方面に取材をしていて、具体的なノウハウが充実しているだけでなく、何より自信をなくした親にそっと寄り添ってくれる凛とした優しさも感じる本だ。
全7章で構成され、以下に章立てをご紹介する。
1章:就学相談
2章:親自身の人生
3章:しつけ
4章:自立
5章:困ったときの発信先
6章:子育て支援と「わが家のニーズ」
7章:子どもにとっての「よい親」とは
何より刺さったのは以下の言葉(引用させていただきます)
-障害のある子どもの親の使命は、障害のある子どもの親になったからこそ見えた社会の偏見や差別を声にし、制度やシステムをつくりあげていくための種を蒔くことだと思います。
その種は、さまざまな人たちの胸の中にも飛んでいき、子どもを支える力強い味方として、花開いていってくれると私は信じます。
種を蒔かなければ、花も咲きません。
順番からいえば先に死んでいく親たちが、子どもに遺せる財産は、だれかの善意を待たずとも生きていける、偏見や差別のない制度やシステムが構築された社会であり、違いを認め合える人間観を持った大人の存在だと思います。子どもは、大人の心のありようでいかようにも育ちます。
私の今のささやかな目標というか使命は、自分が経験した悔しさや悲しさや怒りや嬉しさ、自分が学んだ色々なことを同じ悩みを抱える別の誰かのために役立てること。
人はそれぞれ自分なりの価値観や信念を持っているから、全てが役に立つとも限らないし、そんな自分の経験ごときで誰かを救えるなんて思ってもいない。
でも、自分が苦しかった時に、指針になったりヒントになったのは、顔も分からない、名前も知らない、でも思いは共通する当事者ブログだった。
だからこそ、自分の経験をしっかりとアウトプットすることで次につなげられたらと思っている。
※とはいえ、このブログは本当にいち当事者の親としての備忘録やつぶやきレベルの内容も入っているため、あらかじめご了承いただきたい。