自閉症児と共に生きる

知的ハンディキャップのある自閉症児との味わい深い人生

「公開授業」という名の試練

土曜日は、小学校へ入学して初めての公開授業が行われました。

先生と事前に打ち合わせ、交流クラスでの朝の学活が終わると、支援クラスへ移動し、

算数と図工は支援でやるということで進めることに。

 

算数は電子黒板を前に数字をなぞったり、数を数えたりと順調に進んでいました。

2時間目は体育館での2年生との交流授業でした。支援の先生がついてくれて後ろのほうから参加できました。

 

試練が訪れたのは3、4時間目の図工でした。

息子は恐らく2時間目の授業が終わったタイミングで今日の授業は全て終わりだと思ったみたいで、帰る気満々だったのがまだ授業があるということに気付き、そこから図工モードへ切り替えることができませんでした。

 

支援のクラスへ行っても落ち着かず、大きな声を出し(多分もう自分は終わりだと思っているとアピールしていたのと思われます)、先生を困らせてしまいました。

 

先生が「図書室へ移動します」と、息子を連れ出そうとしていたところで私と鉢合わせました。「ママと行く」と言いだし、先生が「ママも行くよ、学校は先生と移動しようね」と押し問答になり、多分それをきっかけに息子の我慢の限界がきてしまったようでした。私のことを叩き出し、爪で顔をひっかかれ(子どもの爪は細くて鋭利。軽い凶器です)、大泣きし、乱れまくりになってしまいました。

 

この状態になってしまうと、誰が何を言っても手を付けられない状態になります。まずは(別の場所に移動するなどして)クールダウンするしかないのですが、先生も若干ムキになって(いるよう見えた)、息子に言い聞かせていました。息子も半ばあきらめたのか、先生と一緒に職員室へ移動。すると、職員室で大泣きしてしまいました。

 

多分息子もいけないことをしていると分かっているのです。つい手が出てしまう自分のことを悔しがっている涙のようにも見えました。

自分でもどうしてこうなってしまうのか、彼は説明できる言葉を持っていません。

きっとどうして自分のことを分かってもらえないんだろうと悲しい気持ちになっていたと思います。悲しみの涙でもあると思います。

もちろん我慢の限界がきた、怒りの感情もあると思います。

 

先生方に迷惑をかけて申し訳ないなと思う反面、彼の苦しみや悲しみも伝わってきたので、親としてもいたたまれない気持ちになってしまいました。

 

他者に合せるという、普通の子どもならば何の不自由もなくできることが、息子にとっては一大事件になってしまう。自閉症児の弱さの一部をまざまざと見せつけられた一日でした。

 

算数をがんばっている姿に嬉しくなり、乱れた息子に悲しい気持ち、申し訳ない気持ち、ハラハラする気持ちとがないまぜになり、親の感情もめまぐるしく変化する一日で、こちらもちょっと疲れました。。。

定型発達の子どもの親御さんは、こんな気持ちにはならないだろうなぁ。

 

公開日は月に1度ある、試練です。今は試練でも、少しずつ楽しめる日になって欲しいと思います(でも、だいぶ遠い道のりです)