自閉症児と共に生きる

知的ハンディキャップのある自閉症児との味わい深い人生

「パートナー力」に共感

花まる学習塾の高浜正伸さんの記事にめっちゃ共感

「飯を食える大人になる」がキーワードの学習塾を経営する高浜正伸さん。

News Picksで彼の半生が取材されており、むさぼるように読んだ。

彼には脳性まひのお子さんがいて、知的・身体障害と重複障害を持ってほぼ寝たきりだという。そのお子さんと暮らすなかで高浜さん自身が得られたことを「パートナー力」という言葉でまとめている。

NPの記事は有料なので会員しか見られないが、花まる学習塾のコラムで同様の内容が無料で読める。

特に私が共感した一説は、以下に引用させていただく。

パートナーとしてカチッと組み合わさったとたんに、二人で一つの大きな力となった。もっと言うと個人としては何もできないように見える息子が、ダメダメ人間の私を立て直し、無限大のエネルギーを注入してくれたのです。誰かと組み合わさって発揮するパートナー力。これが障がいの子の持つ大きな実力だと思っています。自分自身は何も化学変化しないけれども相手を活性化する触媒とも似ていますね。私は、恐らく妻というパートナーと出会うことで「遊び人から大分遠ざかった」し、息子が生まれたことで、心が整えられ大切なものを見失わずにすみ、ひたすらに頑張りぬけたのだと思います。

「息子さんのお陰でクラスのお友達が優しくなりました」

ちょうど1年前、わずか半年間しか通わなかったけれど、本当に暖かな保育園に恵まれ、その時の担任の先生がかけてくれた言葉。

息子自身では何もできず、むしろ誰かひとり張り付いてみていないといけない「要支援の子」。基本私は「いつも息子がすみません」と謝るのがデフォルトになっていて、息子が誰かのお役に立てていると思えることは正直少なかった。

 

でも、保育園のクラスのお友達は何やかんやとお世話を焼いてくれて、ある男の子は本当によく息子に接してくれた。先生もこの男の子がそこまで世話焼きタイプだとは思わなかったみたいで、「息子さんのお陰で、●●君がここまで優しいタイプだと初めて分かりました」と言ってくれたのだ。先生の言葉で当時の私がどれだけ救われたことか。

これがまさに「パートナー力」ということなのかもしれない。

私も息子が生まれてから、考えられないぐらい真剣に生きてる

息子のことを受け入れるのに葛藤はあったけれど、受容できてからはここ数年本当に真剣に生きている(「必死」なだけかもしれないけれど)。

私はフルタイムで働いているので、これまで何度も療育と仕事の両立で悩み、仕事を辞めることばかり考えていた。

でも、今は息子になるべく資産を残したいということの他に、息子が将来社会へ出る時のために、いくばくか社会がインクルーシブな方向に進むように、そのために自分のスキルを活かしたいという思いで仕事をしている。

大学時代は就活もろくにせずに、適当に受けた零細出版社に潜り込み、ブラック企業でのストレスをお酒を飲むことで憂さ晴らしして、やりたいことがないと管を蒔いていた当時の自分から見たら、こんな品行方正で真剣に生きている自分は想像もつかなかっただろう。笑。誰か(メインは息子)のために、こんなにも真剣に頑張れる自分という側面は、息子と出会わなければ、一生開拓されなかったと思う。

 

息子は将来誰かの支援を受けながらの自立を目指すことになる。

その時に、私ではない誰かの「パートナー力」も開拓できるといいな。

すやすや寝息を立てている息子の寝顔を見ながら、切に願わずにはいられない。