自閉症児と共に生きる

知的ハンディキャップのある自閉症児との味わい深い人生

発達障害だって大丈夫

素敵な本を読みました。

発達障害だって大丈夫―自閉症の子を育てる幸せ

発達障害だって大丈夫―自閉症の子を育てる幸せ

教育心理学者・小説家・3人の子どもを育てる母と、

3つの顔を持つかっこいい働く女性が書いたノンフィクション。

彼女の2番目のお子さんが、自閉症です。

 

堀田さんの著書は初めて拝見しましたが、全体から感じる

飾らない率直なテイスト、ユーモアが好きだなと思いました。

 

心理学のプロはどんな療育生活をしているのだろうという

興味があったのですが、この本で描かれているのは、

一人の母親として、真摯に子ども達に向き合う普通の母親の姿です。

いつも笑って、時に泣いて、怒っている姿に当事者の母として共感しました。

印象的なフレーズをメモしておきます。

 

「何がこの子のためになるのか」

親のための選択であってはいけないということ。

親が安心するために、普通学級に入れるのはよくないし、

世間体のためであるならなおさら「よくない」と強く言いたい。

子どもは長い時間を学校で過ごします。

そこが快適な場所でなければ、生きている時間が辛くなります。

悪気はなくても、普通学級以外を隔離病棟だといった偏見で受け止める

人が多数いるのを実感しています。

でも、親までもがその偏見に巻き込まれてはいけません。

障害と共に生まれてくるのは、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。

先天的にある一定数障害をもって生まれてくこの子は、他の子よりも

不具合や不自由を一人で負ってくれている子なんだという視点も必要だと思います。

 

堀田さんの著書を読み、息子を世間の目から守らなければということに

捉われていたかもしれないと気づきました。

守らなければいけない時もあるし、守ることは大事なんだけど、

それよりも、息子を一人の人間としてリスペクトする視点のほうが

もっと大事なのではと感じました。

今後、息子の環境が変わる節目ごとに、この本を読み返し、息子にとって

大事なことは何かという視点を見失わないようにしたいと思いました。