自閉症児と共に生きる

知的ハンディキャップのある自閉症児との味わい深い人生

支援学校と支援学級どちらがよかったのか?自分なりの振り返り

何とか1学期が終わった。息子は既に夏休みに入っていて、学童にも毎日元気に通っている。入学当時心配していた登校しぶりや不適応の問題は1学期修了の時点で起こっていない。本当に、本当に良かった。

小学校や学童の先生方が根気強く対応してくれたお陰です。感謝感謝。

 

さて、就学相談の時に支援学校判定だった我が家ですが、学校との話し合いにより支援学級進学をさせてもらった経緯があります。

我が家なりに息子が将来どんな大人になって欲しいのか、どんな環境で息子を育てたいのかを何度も考え、行きつ戻りつ、最終的に支援学級を選択したわけだけど、結果その選択がどうだったのか?を私なりに振り返ってみたいと思います。

 

●支援学級を選んでよかったこと

・家から近い(学校は自宅の裏側にある、支援学校はバスに乗って1時間の場所)

・保育園から一緒のお友達と同じ環境で学べる。

・少人数制なのでだいぶ丁寧に指導してくれている。

・他の健常の子(特に3年生、5年生あたり)が構ってくれる。そして、息子もその子達のことが大好き。そういう姿を見ていると、お互いに学び合うものがあるのだと、思える。

・他の子と比べてできないことは多いが、そのなかでも役割を与えてもらうことで息子も楽しそうに過ごせていること。

・他の子達の様子を見て、まねをしてできるようになった部分、自分もやりたいという気持ちが芽生えている点。

 

●支援学級の大変かもしれない部分

・先生方と密に連絡を取りながら、日々の学校生活で起きていることをキャッチアップする必要がある。特に他の子とのトラブル関係が起きていないか等は、連絡帳や先生と直接対話するなどして日々把握するようにしている。当たり前のことかもしれないけれど、働いている自分にとってはまぁまぁ大変。支援学校だったらその辺りの心配はほぼ不要だろう。

・息子の特徴を他の親御さんにどう理解してもらうのか、そこの努力は常に求められる。夏に行った学童のキャンプで息子が大いに乱れ、手がつけられなくなるということがあったが、その時も理解をしてくれる親御さんももちろんいたが、一方で「親のしつけの問題」と見ていそうな親御さんもいた。支援学校だったら、親御さんのその辺の理解は盤石なはずで、こちらが変な気を遣わなくて済むことも多いだろうと思った。

・正直勉強面では家でもフォローしないと、支援学級内の子ども同士でも差がついていく。そこは相対比較ではなく、絶対評価で見てあげながら、息子ができることを地道に積み上げていくサポートが必要。支援学校では先生方の専門性が高いはずだから、そのあたりもお任せで良かったかもしれない。

 

支援学校か支援学級か?悩んでいる人も本当に多いと思う。

結論から言うと、我が家はやはり地域の学校へ進学させる(支援学級)という選択で良かったと思っている。

もちろん大変なことも多い。支援級の子どもは絶対的にマイノリティだし、勉強面やソーシャルトレーニングにおいても親が頑張らないといけないシーンも多い。そのあたりは全て学校に任せたいと思う人にとっては、支援学校は安心して任せられるとてもいい環境なのではないかと思う。

 

どちらの環境を選んだとしても、メリットとデメリットはあるので、そこを吟味しながら、最終的に納得のいく選択ができるといいなと思っています!

 

さー2学期も頑張るぞー!

面談ウィーク

7月に入ってもうあっという間に中盤になってしまった!

あと1週間で息子は小学校入学して初めての夏休みに入る。

 

7月は面談ウィークだった。忘れないように、メモしておこう。

・支援級の先生個別面談→夫と一緒に学校での様子や先生が今どんなことを課題に思っているのか、今後それをどうしていこうと思っているのかをヒアリング。

息子はどうやらプールに入る時の「バディ」(隣の人同士で手をつないで点呼とともにしゃがむ)が苦手なようで、何度も指導が入るとのことだった。

あとは数字とひらがなの進捗。息子の集中力が続かないようで、あまり進んでないようだった。

 

・学童の先生個別面談→ここは私一人で。

息子は要支援枠で受け入れてもらっているので、個別に加配の先生が付く。

男性のだいぶ年配の方なのだが、かなり細かく息子のことを観察してくれているようでびっくりした。気づいたことなどをA4の紙5枚ぐらいに渡ってレポートしてくれた!

4、5月の頃は環境にも慣れず見通しが持てなかったために、情緒が不安定で指示も入らなかったようだけど、7月になってから飛躍的に伸びていると報告してくれた。

お友達にも興味を示しているようで、子ども達が遊んでいるなかに入っていこうとするのだけど、基本的な社会性がまだ弱いので、遊びや関わり方のルールが分からないようで、お友達も避けてしまうとのこと。そこは勿体ないのでぜひお家で練習して欲しいとアドバイスいただいた。

 

・小学校保護者会→息子は普通級にも席とロッカーを確保してもらっており、朝の学活と給食は一緒に食べている。なので、普通級の保護者会にも参加した。

息子が大きな声を出したり、手を出したりという報告を受けている相手のお母様にもちゃんとご挨拶もできたので、よかった。しかし、小学校の同級生って本当に顔と名前が一致しない…。33名もいるので、当たり前なのだけど、果たして1年が終わるころに名前を覚えられるのだろうか…。

クラスで育てているアサガオを持って帰った。私が小学生の頃と変わらないカリキュラムにびっくりするw しかし、私は自分で持ち帰ったぞ。今の小学生は親が持ち帰るのか…。小学生苦労してないな。

私と同じことを思っていた別のお母さんもいて、「楽してるよねー」と笑いながら帰った。

こんな当たり前の会話をクラスの人達とできるようになるなんて、4月の入学タイミングでは想像してなかったなー。

入学してあっという間に3ヶ月が経ち、あと1週間で1学期も終わりだ。

早いなぁ。息子は本当に頑張ったと思う。たくさん褒めてあげよう。

 

 

 

学校との話し合いでプールへ入れることになりました

 

以前、息子が学校で排泄(大きいほう)を失敗したことがあった。

先生が「うんちを失敗し、しかも遊んでいた。排泄に一度でも失敗したらプールへ入れさせることはできない。校長へ相談します!」と興奮した口調で電話が来た。

 

これまで息子は排泄物で遊んだことはない。

療育の先生にも相談したら「何だろう?と気になって触ってしまっただけでは」との回答をもらった。

 

私もそうだと思ったので、連絡帳にも書いて先生に渡した。まだプールに入れるかどうかが分からなかったので、先生と面談の時間をもらい1時間ほどお話しした。

 

面談には夫も付いてきてくれた。意識して伝えたのは次のようなこと。

 

・「排泄に1回でも失敗したらプールに入れない」というルールは、定型発達の子でもそうなのか?(障害児だからそうなのではないか?)

・家庭では排泄物で遊んだことはない。また近場の銭湯へよく行くが、そこでも排泄に失敗してお湯を汚すなどの迷惑をかけたことは一度もない。

・何故この小学校に来たのか(支援学校ではなく、社会の縮図である地域の小学校で定型発達の子ども達との関わりのなかで育てたい。プールも社会参加の大切な機会であるということ。そこを奪うということの重大性)

 

結果数日経過して、先生から「校長先生と相談して、プールは入れることになりました

」と回答をいただいた。ホッと一安心。

先生との面談を通じて、どうやら排泄の時間の時に見守りが手薄になっていたことも分かった。(どうやら息子は排泄は完全に自立していると思われたようだ)。

 

なので、排泄に関してはまだ練習中であり、まだまだ完全自立していないため、気にかけていただけると嬉しいことを伝えた。

そして、家での食事の様子、排泄の回数、タイミングを事細かに観察し、連絡帳に「昨晩たくさんご飯を食べたので、今日の午前中には排泄の可能性があります。気にかけて声がけしてもらえると助かります」と伝えることにした。

 

さて、今日はプール1日目。本人は楽しんでいるようだがどうだろうか。ちゃんと入れるだろうか。。。心配も大きいが、本人と先生を信じるしかない。

 

 

デジタルタイマー×自閉症児

虹色のチョーク」を読んで日本理化学工業さんの取り組みのなかで印象に残っていたことがあった。

工場のラインで働く知的障害を持つ方達に、砂時計で時間間隔を理解してもらうというものだった。7歳になる息子も、時計は読めない。まだ訓練していないということもあるけれど、時制の概念も分かっていない。

 

そうか!我が家も砂時計を導入してみようと、ちょくちょく探してみたら、黄色や緑色、キャラクターをあしらったものなどいくつか種類があった。息子もきれいな色の砂時計だったら気に入ってくれるかもしれない。

 

だけど、時間でいうと3-5分を計るというのが一般的なようで、給食と同じ20分を基準に考えていたこちらのニーズと合わない。

で、結局導入したのがTANITAの数字がめっちゃ大きく出るデジタルタイマーだった。

デジタルタイマーは、朝食の時間と自宅学習の時に使っている。

 

「これから20分測るよー。ぴぴーって鳴ったらご飯は終わりね。ご飯の時間が終わったら食器は下げちゃうからちゃんと時間内に食べようね」

 

スタート初日は、もちろん時間内に食べ終わる訳なくて、終わって下げようとしたら怒って机をガタガタさせたり、物を投げたりと軽く乱れたのだけど、「ご飯の時間は終わりです」といって譲らなかった。

そしたら、2日目には終了の時間が近づくと、焦って食べるようになり、アラームが鳴ったら諦め切り替えるようになった。

 

これまではTVを見ながらダラダラといつまでも食べることが多くて(そうさせてしまったのは私なのだけど)最終的に私に急かされるという構図だったのが、予め時間の見通しを立てられるように環境設定したら、息子も少しずつ切り替えるのが上手になってきたように思う。改めて環境設定って大事と思った。

 

 

 

 

 

空気清浄機を導入したら夜ちゃんと眠れるようになった

息子がアレルギー性鼻炎が判明したので、投薬以外の対応策として

空気清浄機を導入したのだけど(詳細はこちらの記事で)、早くもその効果が出始めている気がする。

 

息子は夜になると鼻をズルズルとやっていて、鼻水もうまく出せないのでいつも「鼻痛い!痛い!」と叫び、私がイライラするという悪循環だったのです。

 

月曜日のまさに眠れなかった夜には、私がだいぶイライラしていたのか息子に「ママこわい」と言われる始末で、自分の未熟さと堪え性のなさで息子を萎縮させてしまったかもしれないと思うと情けなくてほとほと嫌になっていました。

 

月曜日に相方が手配してくれた空気清浄機は水曜日に到着。

正直あまり効果のほどは期待していなかったのですが…。

息子の「鼻ズルズル」の回数がまず減りました。感覚的ですが、10回ズルズルしていたのが5回になったような、そんな感じ。これが1日目。

 

2日目の昨日は、普段通り寝る前に点鼻薬して、さて本の読み聞かせをして電気消してしばらくはふざけていたのだけど、いつの間にかスーって寝息をたてていて、「そういえば鼻ズルズルしていないな」と。

 

朝まで1回も起きることなく、ぐっすり寝られたせいか、今朝もとてもご機嫌でした。

鼻炎がひどい人は確かに睡眠障害になるよな、辛いよな。

 

たった空気清浄機1台で健やかな夜が手に入るのなら、これほど安い投資はない!

と感じました。(しかも、アウトレット製品で1万切っていたぐらいの超絶シンプルな空気清浄機)。

 

息子の鼻炎の度合いが軽かったのかもしれないけれど、空気清浄機は侮れない。

安眠環境を整えてあげることも日々の小学校生活を元気に送るには大事な要素だよなと、思いました。

 

人が幸せになるための4つの要素

 久しぶりにむさぼるように読んだ本。

虹色のチョーク

虹色のチョーク

 

 働く人の70%が知的障害を抱えているという日本理化学工業

それぞれの理解度に併せて工場のラインや製造工程を見える化しながら、生産性高く、高い品質を保つ商品を作り続けている。チョークの業界ではトップシェアを誇っているそうだ。ここで働く障害のある方も勤続20年なども珍しくない。

しかも、皆働くことを楽しみながら、会社に通っていると言う。

 

この本は、同社が何故知的障害を持つ方を雇い続けているのか、会長、社長と関係者へ丁寧に取材をしながら、そこで働く従業員である障害のある方の保護者にもインタビューしている。

印象的だったのは、会長が障害者雇用に軸足を踏んでいくきっかけとなった言葉。

 

人が幸せになるためには「人から愛されること、人から褒められること、人の役に立つこと、人から必要とされること」が大事だということ。

人から愛されること以外の3つは、働くことで得られるということ。

家庭や福祉によって守られるだけでは、この3つを得るのは難しいこと。

 

企業勤めをしていると、また株式会社である限り、利益の追求は絶対だしそのために非効率な部分は改善していくのが当たり前と考えてしまいがち。

とかく福祉的な発想と利益は相反するという思い込みもあるけれど、そうではなく、利益と福祉は両立可能であるということを日本理化学工業は示している。

 

高尚な思想だけでは20年以上も継続しないということは、ビジネス感覚に疎くたって直観的に分かる。トップの強い信念と日々の企業努力があってこその今なのだと思う。

日本にこんな企業が存在していると思うだけで、未来への希望を持つことができる。

 

息子もどんな環境にあっても「幸せだな」と思ってもらいたいし、今は家庭や学校生活を通じてその基礎を作っている途中だと思う。

改めて毎日息子に丁寧に向き合おうと心新たにできた本でした。

 

 

 

アレルギー性鼻炎と判明

日曜日の夜から息子が鼻の詰まりがキツそうで、寝られないと泣いて愚図って夜中まで大変だったので、翌日耳鼻科へ行ったら、あっさりと「通年性のアレルギー性鼻炎です」と言われました。ちーん。

 

夫はアレルギーというか、ハウスダストにも弱く、寝具も頻繁に変えないとダメな神経質なタイプ。私は特にアレルギー体質はなく、至って健康体なので、息子のアレルギー体質は夫から受け継いだものと思われます…。

 

ということで、夫に「空気清浄機の導入と寝具の配慮が必要かもしれない」とメッセンジャーで伝えると、ラジャー!と即ビックカメラへ行って、空気清浄機を購入してくれました。さすがはアレルギー体質当事者だけに、こういう時の初動の早さには感心です。

ということで、息子は2週間ほど朝と晩の抗生物質点鼻薬を続けることになりました。昨晩は鼻詰まりで息苦しそうに寝ていたのが、比較的静かな寝息をたてているのでホッと一安心というところです。

 

ヤクルトを毎朝飲ませているだけでは体内の免疫物質が足りないのかな。

アレルギーの食事療法とかあれば知りたいです。

 

息子は、自閉症児の割には食べ物へのこだわりとかはさほどなく、何でも食べてくれるのですが、特に免疫系を高める食材をこれから調べつつ、ちょっと食事面でも配慮してあげないとなと思っています。

 

しかし、息子は昔は病院へ行くと大変な「祭り」を起こしていました。

行きたくないと大きな声を出し、手足をバタバタさせつつ、全身で抵抗を示していたものです。今回も夜中に「耳鼻科行こうか」と言ったら、嫌だとかなり抵抗しましたが、それでも翌日になったら「お医者様行くの?」と確認してきました。

 

お医者様の苦手克服方法(我が家の場合でいうと)は、暴れても本人に納得してもらうまで譲らないということです…。そして行けたら「良かったね、病院行ったほうが元気になるよね、楽だよね」というのを言葉にしながら、病院へ行けたことを強化し、嫌なことや苦手なことをを克服できたと本人に味わってもらうしかない。。

我が家も数年かけてやっとここまで到達したので、ある日突然病院行くのが大丈夫になるとか、そういうウルトラCはやっぱりないんだなというのを実感しています。

 

絶対にやってはいけないなと思うのが「だまして」連れていくこと。

かつてやったことがありましたが、余計にショックが大きかったようで、しばらくどんなことに対しても警戒していたぐらいです。

 

自閉症の子どもだからこそ、だましたりごまかしたりせず、真正面から真摯に向き合うこと。時間はかかってもいつかは本人の成長とともに、嫌でも我慢するというフェーズになると信じて働きかけを諦めないこと。

 

悩んでいる時ほど秘策が欲しくなりますが、そう都合よく現れるわけではないんですよね…。それも息子が教えてくれたことのひとつです。